「安心」が「恐怖」へ変った

ダイオキシンとは何か?

国際ガン研究所が、ヒトにがんを発生させる原因物質として、クラスTに分類した36種類の化学物質の1つで、基本は2つのベンゼン環(6角形をした炭素の結合体)が酸素を介して結合。これに塩素が結びついた形の有機塩素系化合物の事です。

乱暴な言い方をすれば紙や木材、プラスチックなどの有機物を燃焼する際に、塩素が存在していれば簡単にダイオキシン類が発生するわけですから、落葉を燃やす時に食塩を振り掛ければいとも簡単にダイオキシン類が発生するわけです。

毒性は発がん性が指摘されていますが、「カネミ油症」では食用油に混入して1800人以上の人が、塩素ざ瘡、皮膚の色素沈着、爪の黒変、眼の粘膜の充血、瞼の腫れなどが見られたほか、胸腺や脾臓の萎縮とそれにともなう造血機能障害がしられています。

ベトナム戦争での枯れ葉剤(ダイオキシン)によって多数の奇形児が生まれたり、流産・死産が多発していると言われており、このような生殖毒性も見逃すわけにはいきません。

急性毒性についてはこれまでに人間の死亡例は報告されていませんが、イタリアで1976年化学工場の爆発によってダイオキシン類が町中に降り注いだ事件では、牧草を食べた家畜が多数死んでいます。

ということからダイオキシン類はある程度体内に蓄積されてから毒性を発揮する慢性毒である事が理解されます。一般的に急性の毒の怖さはわかりやすいのですが、慢性の毒の怖さはは非常に理解し難いと考えられます。しかし「危険」であるのはどちらも変わりがありません。むしろ慢性の毒(ダイオキシン類)の方が本人だけに限らず、孫子にわたって禍根を残す事を考えれば【質が悪い】といえます。

ダイオキシンと環境ホルモン

ダイオキシン類は体内に大量でなくてもごく微量でも体内の内分泌系に作用してその働きを混乱させる事が判明しました。このようにホルモンと似た作用をする物質を【内分泌撹乱物質】または【環境ホルモン】と呼びます。ホルモンとはごく微量で神経系や免疫系とともに身体の恒常性、性の分化や生殖機能などをコントロールする為に働く一種の情報伝達物質で、脳にある松果体、脳下垂体、視床下部の他、甲状腺、膵臓、副腎、腎臓、精巣(男性)、卵巣(女性)などの器官から分泌されています。

私たち一人一人にできる事は何?

次に進みます。

 

武田 邦彦 監修 21世紀プロジェクト エコ研究会著者 「環境にやさしい商品」買ってもいいもの 悪いもの より抜粋

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